●濡れて (マリウス×リーズ★★★★★)



「もぅ‥‥最悪だよ〜‥‥。
 あんなに天気がよかったのに突然大雨なんて今日はついてないや。」


 モリッツ滝にマリウスと採取にやってきたのだが、突然の大雨により二人はずぶ濡れになる。
 木下での雨宿りも気休め程度しかなく濡れない場所を探して二人は今滝の裏の洞窟の中に避難し、リーズは先程の言葉を漏らしながら体を温める為の火をおこしていた。


「それより濡れた服を早く脱いだ方が良い。風邪を引くぞ。」
「ええ!?ぬ、脱ぐって‥‥」


 マリウスの発言に驚いて振り返るとそこには既に鎧を外し、濡れたマントや服を脱ぎだしているマリスの姿があってリーズは慌てて視線をたき火の方に戻す。
 洞窟の中に魔物が入ってこない様、数日前に作ったフェロモンアロマを洞窟の入口にまき散らしてあるので魔物が入ってくる心配は殆どない。
だから装備を外しても問題ないのだが、やはり恥ずかしさから躊躇ってしまう。
それが恋人の前だとしても変わらなかった。


「服を脱いだら水を絞って火の近くで乾かすんだ。もたもたするなよ。」


 けれどリーズのそんな思いを知ってか知らずか、マリウスが急かす。
このままでいるわけにいかないのはリーズだって分かっているので、仕方なく鞄の奥にしまってあった野宿用の薄い毛布を取り出して一枚をマリウスに渡して、もう一枚を服を脱いだ後自分の体に巻き付けた。


「下着も全部脱いだのか?」
「ぬ、脱いだわ。」
「嘘を付くな。干してないだろう。
 濡れた物を身につけていると風邪をひくから言っているんだぞ。
 脱いでちゃんと干すんだ。」


 マリウスが洞窟の中に上手い具合に縄を張ってくれたのでそこに服を干しているのだが、そこにマリウスの下着はあるもののリーズの下着がかかっていない事にマリウスは気付いたようだった。
 リーブは渋々毛布の中でごそごそと下着を脱いで縄に下着を干した。
それを確認した後マリウスは火の側にリーズを座らせようとその手を掴んだのだが、途端その眉間に皺が寄る。


「ずいぶんと体が冷えているな‥‥。」


 寒さで少し震えているリーズの体は冷えきっていて、マリウスは火の近くに敷いたシートの上に自分の羽織っていた毛布を敷き、その上にリーズを導く。
 マリウスの突然の行為にぎょっとしていると、マリウスはリーズの背後に回ってその体を覆う毛布をそっと剥いでリーズの体を後ろから抱きしる。
そして驚きで硬直してしまったリーズを自分ごと毛布で包み込んでマリウスは火の側に座りこんだ。
 リーズは驚きと緊張で体を強ばらせていたが、暫くそうして火の側に座っていると背中から伝わるマリウスの体温の心地よさとあたたかに自然と体の力も抜けていった。


「もう雨止んだかな?」
「さてな。滝の音でそこまでわからないが、雨が止んだとしても服が乾かなければ外へは出れないだろう。服が乾くまで一日はここで足止めだな。」
「‥‥まぁ仕方ないよね。」


 膝を抱えて座っているリーズは、後ろからがっちりとホールドされている為マリウスと間を空ける事も叶わない。
 体温が戻って震えも治まったのだがこうして裸で密着していると落ち着かないのだ。心臓がドキドキと五月蝿い音を立てるから。
それなら服が乾くまで眠ってしまえばいいかと考えつく。
 こんな状態で眠れるかはともかくとして、目をつぶっていればいつの間にか眠ってしまうかもしれない。
 リーズはそう思って自分の膝に顔を埋めて目をつぶる。


「リーズ?‥‥どうした?体の調子がおかしいのか?」


 しかしすぐにマリウスが心配したような声をあげたのでリーズは顔を上げてマリウスを振り返る。
 するとやっぱり声と同じくその表情も心配そうな顔だったので、リーズは思わず苦笑する。


「違うよ。少し眠ろうかなと思っただけ。ほら、する事も無いし、ね。」


 最後の一言は言わない方が良かったと、後悔したのはマリウスの表情が変わったのを見た後だった。
 本能に火がついた様な表情でマリウスの口元が不適に笑う。


「‥‥では、しようか?」
「え?」
「こうしてゆっくり時間を過ごす事は無かったから最近していないだろ?
 健全な男である私は‥‥‥もう少し濃密な時間が欲しいと思っていた所だった。」


 マリウスが何をしようというのかリーズが悟ったのは、予告もなくつぷりとマリウスの指が自分の中に侵入してきた時だった。


「‥‥あっ!」


 膝を下ろしていれば易々と侵入を許さなかっただろう。
けれど膝を抱えていた為に簡単に許してしまった。
今更膝を下ろそうとしてもマリウスによって足を押さえつけられてそれは出来ない。
 そして濡れて解れていないリーズの中を潜る指は一本でもスムーズには進まない。


「リーズの中は‥‥凄く熱いな。」


 マリウスが囁きがリーズの耳をくすぐる。
そしてリーズの中を探る指とは別の指がリーズの花弁を押し広げ、親指が花芽を擦り上げた。


「や‥‥っ!」


 びくびくっと体が震える。
それが寒さからくる物じゃなくて快感から来る物だと理解してリーズは顔を真っ赤に染めた。
 それを拒まずむしろもっと欲しいと感じてしまったせいだ。体も心もマリウスを欲しがっている。
 こんな場所なのに。


「だ、ダメだよ‥‥。こんなトコで‥‥だ、誰かきたら‥‥。」
「‥‥こんな所に誰も来ない。滝の外に誰か居ても滝が全ての音を消してくれる。」


 入口から少し遠いその場所から滝の音は耳障りな程大きな物じゃなかった。
ただ入口付近は滝の音が大き過ぎて細かな音など聞こえない。
だから誰かが来ても奥にいる二人の声など聞こえないだろう。
それにその前にマリウスが気配を感じて止めるにしろ止めないにしろ対処も出来る。
 そうしてリーズを言いくるめた後、マリウスは行為を再開する。
形の良い乳房を優しく揉み上げて、先端をキュと摘む。
下では花芽を擦りながら、中を探る様に指を動かしリーズの反応する場所を責め立てる。
 とろりと蜜が溢れてくると、マリウスは指を2本に増やし激しく動かした。


「あ‥ああっ‥ぁんっ‥‥!」
「ああ‥‥凄いな‥‥‥。もうぐちゃぐちゃになっている‥‥。」


 マリウスが激しく指を動かせば動かす程そこはぐちゅぐちゅと卑猥な水音をたてる。
溢れた蜜は飛び散って下に敷いた毛布を汚し、マリウスの手もベタベタに汚していた。
 リーズはマリウスが与える快感に体をしならせて、激しく動くマリウスの腕を止めようとその手をぎゅっと掴むのだがそれを抵抗ともせずマリウスの腕は小刻みに激しく動く。


「あああぁっ‥‥!」


 もうダメだと懇願する様に顔をマリウスの方に向ければ、にこりと笑うマリウスと目が合って腕の動きが少しだけ緩む。
 激しい快楽の波が少し緩んだ事にほっと息をつくと、くくっと笑うマリスに甘い口付けをされる。


「はぁ‥‥‥んん‥‥っ」
「‥‥リーズ‥‥そろそろ‥‥いいだろうか?」


 背後に感じたマリウスの熱にリーズはそっと手を伸ばした。
硬く熱を帯びたマリウスの先端は少しだけ濡れていて、少し苦しそうなその表情に彼もまたとても欲しっているのだとそう思うとリーズは照れながらも体を反転させてマリウスの首に腕を回してキスをせがんだ。
 軽いキスを数回交わした後、胡座をかいたマリウスはリーズを自分に跨がせてゆっくりと座らせる。


「ん‥‥」


 中に押し入ってくる存在にリーズは目をぎゅっとつぶる。
マリウスによって解されているので痛くはないけれど、中をぎちぎちと押し広げられる感覚が今でも慣れない。
 ゆっくりと全てをリーズの中に収めた後、マリウスは一息ついて微笑む。
 リーズの中はいつもよりずっと圧迫感がある。
こんな場所だから興奮しているのかもしれないし、もう1ヶ月近くリーズの中に入っていないせいかもしれない。


「‥‥こんな場所だから少し興奮しているのか?それとも久しぶりだからか‥‥いつもより締まりが良い‥。」
「そ、それは‥‥マリウス様の方‥‥だよ!‥‥いつもより大きいもん‥‥っ。」
「‥‥ああ‥‥私も少し興奮しているかもしれない。
 ここはお前の甘い声がいつも以上に響いて私の脳を刺激するから。」
「!」


 洞窟の中でリーズの高い声が反響して、よりマリウスを興奮させる。
リーズの方はそんな事を気にする余裕などなかったのだろうが。
 けれど今更になって口を押さえるリーズが可愛くてマリウスは苦笑しながらも、リーズの腰を支えて上下運動を促す。


「んっ‥‥んんっ」
「そうやって口を押さえていても良いが、私の首に腕を回していた方がいいのではないか?」


 マリウスが激しく揺さぶれば、口を押さえたままのリーズの上半身は安定無くふらふらと揺れる。
 体に力が入っていない上にそれを支えているのはマリウスが腰を支えている両腕のみだったからだ。


「あ‥‥んうぅっ‥‥マリウスさ、ま‥‥ぁ‥‥!」


 リーズは両手を伸ばしてマリウスにきゅっと抱きつく。
もう体を支えるのもやっとのようでマリウスに全てを預けるようにしなだれる。


「‥‥‥リーズ‥‥っ」
「‥‥はぁ‥‥はぁ‥‥も、もうイキたい‥‥。」
「ああ‥‥久しぶりだからな。‥‥一度イッたほうがお前も楽かもしれない。」


 マリウスは一番感じる箇所を重点的に責め立ててやる。
繋がった所から聞こえるいやらしい粘着質な水音とぶつかり合う音にリーズの感覚は侵されて体中が敏感になっていた。
 だからマリウスに首筋を舐められただけで、耳を甘くかまれただけで体に快感が走る。


「‥‥うっ‥‥リーズッ‥!‥‥もう‥‥イキそうだ‥‥っ!」
「あぁああっ‥‥マリ‥‥ウス‥‥さ、まぁ‥‥っ!」


 強く揺さぶられリーズの思考ははじけ飛んだ様に真っ白になった。
そして中に収まったマリウス自身をギュウギュウと締め付ける。
 その締め付けに苦しそうな顔をしながらマリウスはリーズの中から自身を引き抜き白濁した液を外へ吐き出した。
 絶頂を迎えた余韻によりまだ二人の息は荒く、思考もまだふわふわした所を彷徨っている。
けれどリーズより先に落ち着きを取り戻したマリウスはそのまま毛布の上にリーズを押し倒し、足を持ち上げて自身を軽く押し当てる。
 それに息を飲んだリーズにマリウスは微笑んでその額に口付ける。


「‥‥マリウスさま‥‥」
「あと一回だけ、リーズの中でイカせてくれ。」
「‥‥‥‥う、うん‥‥。」


 リーズの返事と共にマリウスは腰を進めて一気に奥まで貫いた。
絶頂を迎えた後だったが、それでも濡れそぼったそこは潤滑にマリウスを最奥まで飲み込んだ。


「‥‥あっ!」
「‥‥くっ!」


 けれどマリウスを締め上げる力はまだ緩んではいなくて、苦しそうな顔をしながらもマリウスは腰を動かし始める。


「ん‥‥っ‥はぁ‥‥あんんっ‥‥!」


 緩急と動きを付けてリーズの中をかき混ぜ、往復しながら、マリウスは同時にリーズの唇を貪り舌と唾液を絡める。


「はぁ‥‥あああっ‥‥すご‥‥ぃっ‥‥んぁっ!」
「っ‥‥ああっ!‥‥い‥‥きそう‥‥だっ‥‥!」


 獣の本能のままマリウスは激しく腰を打ち付ける。
そしてリーズの気持ちいい所をごりごりと擦り上げる。
 振り落とされそうなそんな感覚にリーズはぎゅっとマリウスの首にしがみつき、足をマリウスの腰に巻き付ける。


「う‥‥っ‥‥あっ!‥‥そんなに‥‥締め付け‥‥てくれるな‥‥っ!」
「あっ‥‥そんな事‥‥言ったって‥‥ああぁ‥‥ぅっ!」
「‥‥イ、イきそう‥‥かっ?」
「イ、‥‥イくぅ‥‥っ!‥‥あっ、‥‥ぁあああ‥‥っ!!!」
「‥‥くっ‥‥‥ああぁ‥‥‥。」


 大きな快感の波に襲われリーズは大きく体をしならせた。
同時に激しく腰を動かしていたマリウスはぐっと歯を噛み締めて、数回強く腰を振った後リーズの最奥に自身を沈めてぶるりと身震いをして欲望を解き放った。


「‥‥あ‥‥」


 リーズの中に吐き出された欲望の感覚を奥で感じながら、白く染まっていく意識とともにリーズの意識はゆっくりと落ちていった。













「ん‥‥‥?」


 リーズが目覚めるとすぐ横にマリウスの寝顔がそこにあった。


「あ‥‥。」


 そして気付くといつの間にかマリウスも自分も服を身に着けている。
もしかしてアレは夢だったのかとも思ったが、下半身には夢ではないという鈍い痛みがある。
意識を失った後マリウスが風邪をひかない様に乾いた服を着せてくれたのだろう。
けれど下着まで付けられたという事を考えると恥ずかしい。
 リーズは少し恥ずかしく思いながらあどけない寝顔を浮かべているマリウスにそっと寄り添って腕を回した。


「‥‥ん」


 するとマリウスにぎゅっと抱きしめて引き寄せられる。
もしかして起きたのだろうかと思ってマリウスの顔を見上げるが起きた様子は無い。
 無意識なのだろうが、それでも嬉しくてリーズはくすりと笑ってマリウスの胸の中で目を閉じる。

 後もう少しだけこうしていよう。
起きればまた‥‥‥休み暇もない程忙しくなるのは目に見えている。
だからマリウスが目覚めるまでもう少し、幸せの余韻に浸っていよう。











ー end ー








‥‥マリウス様の性格を途中で見失ってしまいました‥‥。(泣)






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